【企業紹介】Bri Asia合同会社 -「対話による日本語支援プログラム」で日本をもっと魅力的に-

本日は久々にイチオシ企業紹介を執筆致しました。

第3弾となる今回、ご紹介させていただく企業はBri Asia合同会社です。

Bri Asiaは外国人を雇用している企業や在日外国人に是非、知っていただきたい企業です。


ここ10年で外国人労働者の数は急増しています。

また、今後も外国人労働者の増加は確実視されています。

そうした中で、日本人と外国人との間に存在する言葉の壁は、切り離せない問題となってきます。


本日紹介させて頂くBri Asiaは名古屋市に本社を置き、翻訳・通訳業を行っている企業です。


Bri Asiaの代表を務める伊藤クリスティーナさんは、14歳の時にフィリピンから来日され、日本の中学・高校をご卒業され、大学に進学をされています。

伊藤代表は、ご自身が来日後に直面した様々な経験をもとに、「外国人だからこそ日本の社会で出来ること」があると考え、Bri Asiaの創業へと至ったそうです。

最近では、外国人が愛着を持てる居場所を作れるよう「対話による日本語支援」をしたい!という想いから「IDプロジェクト」をスタートさせました。


IDプロジェクトとは、「対話による日本語支援プロジェクト」のことです。

外国人が日本語を覚えるためには、対話によるコミュニケーションが大切であること(Importance of Dialogue)、そして双方向による対話が必要であること(Interactive Dialogue)からIDプロジェクトと名付けられたそうです。

IDプロジェクトでは、来日前の日本語教育の実態と来日後の日本語の実態調査を行い、「対話による日本語教育カリキュラム」を開発・提供していきます。


IDプロジェクトは中部経済新聞でも採り上げられるなど、社会的にも注目度の高いプロジェクトとなっています。


今回はこのIDプロジェクトについてBri Asiaの代表・伊藤クリスティーナさんにインタビューをさせて頂きました。


Q1.来日後、どのようなことで苦労されましたか?

14歳の時に母親から「ディズニーランドに連れて行ってあげる」と言われて来日し、そのまま結局ディズニーランドに連れて行ってもらうことなく現在まで日本で生活することになりました。

来日して日本の中学校に編入しましたが、とにかく言葉が分からず、誰ともコミュニケーションがとれず、自分が伝えたいことが何も伝えられずとても苦労しました。文化や価値観の違いにも戸惑い、どうして日本では学校の掃除を生徒がやらなければならないのか理解できませんでした。言葉の壁や価値観の違いから自分の居場所を見つけることができず孤独を感じていました。


Q2.IDプロジェクトをスタートさせた背景について詳しく教えて下さい

日本では深刻な労働力不足を背景に外国人労働者の受入れが進み、多くの外国人が来日しています。しかし日本には日本語を学習するための公的な制度がないことに問題に感じていました。

そして、通訳の仕事を通して、多くの外国人から日本語の学習方法を尋ねられ、私自身どうやって日本語を覚えたのか振り返ってみたところ、読み書きを暗記するような勉強をしたことがありませんでした。日常生活の中のリアルなコミュニケーション(対話)の中でいつのまにか習得していたことに気が付きました。

日本で対話を中心としたプログラムを探してみましたが、現在の日本にはそのようなプログラムはなく、私自身が日本語を習得したような対話による日本語支援プログラムが必要だと感じるようになりました。

私は同じ外国人として日本語を楽しく覚えて日本に居場所を見つけ愛着を持ってほしいという想いから「対話による日本語学習プログラム」を作りたいと考え、今年の4月に仲間を集めてIDプロジェクトを開始したのです。


Q3.「対話」に拘りがあるようですが、なぜ「対話」が重要であると考えるのでしょうか?

日本で働く外国人労働者はある程度日本語を学んで来日しています。しかし実際に会話をしてみると、十分な意思疎通がとれず、コミュニケーションエラーが発生してしまっている現状にあります。これは日本人が何年も学校で英語教育を受けているのに実際に外国人と話すとなかなか通じないというものに似ていると思います。私の実体験として、日本語はリアルコミュニケーションの中で習得されていきます。従来の日本語教育のような文型や語彙の詰込みではなく、対話の中で「個人の興味・関心」を引き出すことで「自己学習への意欲や新たな気づき」へと繋がっていきます。そして「リアルコミュニケーション」に結びついていくのです。

言葉は単純に知識があるからといって話せるわけではありません。言語は人との関係構築の中で身についていくものです。人とやり取りをしながら、コミュニケーションの中で興味・関心を持ち、新たな気づきを繰り返して学習していくことでリアルなコミュニケーション力が付くものだと考えております。自分自身が習得した対話型をもとに実際の企業や外国人の意見を取り入れながらプログラム化していきたいと考えています。


Q4.来日前後の日本語の実態調査からどのようなことが明らかになりましたか?

外国人を雇用している複数の企業へのインタビューを行いました。その結果、多くの企業で共通していたことは、外国人労働者が何に困っているのかをあまり把握出来ていないということです。企業は外国人労働者が何に困っているのかを本人から上手く聞き出せていないのです。企業が把握出来ている困りごととしては、生活上のトラブルが多いという傾向がみられました。また、企業側としては、外国人労働者に話しかけても簡単な返事しか返ってこないため、外国人が本当に理解しているかどうかを不安に感じていることが多いようです。

日本語学習については、来日前から日本語を学習していた方がほとんどでした。来日後も学習を継続している方は多く見られたのですが、会社からのサポートがあるケースは少なく、独学で勉強をされている方がほとんどでした。日本語の勉強が出来ていない方は、モチベーションの問題ではなく、環境が整っていないことを理由として挙げられることが多かったです。労働時間が長く、勉強時間が確保できないとの意見も多くありました。

今、長時間労働の例を挙げましたが、そのことから日本は働きやすいと思わない方が多いというのが現実です。日本は住みやすいと回答する方は多かったのですが、今後も住み続けることについては消極的でした。技能実習生ではより消極的な傾向がみられています。その理由としては、外国人への差別や日本人の気質に対して不満などがあるようです。


Q5.今後、IDプロジェクトはどのような展開をみせていくのでしょうか?

実態調査の結果をもとにしていよいよプログラムの作成に入ります。そしてそのプログラムを実際の企業で試行し、その結果を検証することを繰り返して、実効のあるプログラムにしていきたいと思っています。そして、このプログラムが外国人のキャリア形成につながるとともに、企業や地域において外国人との相互理解が深まり多文化共生社会の実現に繋がっていくことを目指していきたいと思います。


伊藤代表は笑顔が素敵なとても明るい方でした。

また、「対話」を通じた日本語教育に対する並々ならぬ熱い想いを感じました。

おそらくそれは皆様にもインタビュー記事を通して伝わっているのではないでしょうか。

今後、IDプロジェクトにより外国人と日本人とのコミュニケーションが深まり、日本をもっと魅力的に感じていただける方が増えてくれるといいなと強く共感いたしました。

また、伊藤代表は自身が外国人だからこそ出来ることを考えて事業を展開されています。

この点も実に示唆に富んでいるのではないでしょうか。


伊藤代表へのインタビューは、自分だからこそできることについて改めて見つめ直す機会となりました。

私がBri Asiaをイチオシ企業として紹介したくなる理由、皆様もご理解いただけるのではないでしょうか。


【Bri Asia合同会社の3つの特徴】

①外国人である伊藤代表が自身の経験をもとに、「外国人だからこそ日本の社会で出来ること」があると考え創業した会社である

②翻訳・通訳業を行っている企業である

③IDプロジェクトを通じて、外国人が愛着を持てる居場所を作れるよう「対話による日本語支援」を開発・提供していく


文責:高嶋 秀樹


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